質問者(読者):
ケーナを吹いてみたんですが、全然音が出ません…。息は出てるはずなんですが、何も鳴らない感じです。どうすれば音が出るんでしょうか?
ケーナ太郎(回答者):
まず、「音が出ない」というときにチェックすべきポイントは、大きく3つのカテゴリーに分けて考えるとわかりやすいです。
【1】ケーナそのものに問題はないか?
● ケーナの質
安価なケーナや、調整がうまくされていないケーナは、構造上音が出にくいことがあります。特にアンデス土産などで買ってきたケーナは、見た目が本格的でも実は音が出にくいことがあるんです。
● 体格や体力との相性
例えば、体の小さな方にとっては長すぎるケーナ(F管など)は扱いづらく、結果的にうまく息が入らなかったりします。
体力がない人、息が弱い人には息を必要とする、分厚いタイプのケーナは不向きです。
● ケーナの内部環境
長期間使っていなかったり、湿気が多すぎたり、逆にぶつけたり乾燥しすぎてヒビが入っていたりすると、音に影響します。まずはケーナが「吹ける状態か」を確認してみてください。
【2】ケーナの使い方に問題はないか?
● 穴をしっかり塞げているか
意外と多いのが、「音が出ない」のではなく「音が漏れている」ケースです。指穴がしっかり塞げていないと、振動がきちんと作られず、息がスカスカ抜けて終わります。
● ケーナの当て方・角度
ケーナを下唇に対してどんな角度で当てているか?
このポイントがズレていると、いくら息を入れてもケーナの芯に息が当たらず音が出ません。特に「上向きすぎ」「斜めに当てすぎ」「横にずれている」などが多いです。
【3】身体の使い方に問題はないか?
● 唇の形
唇を軽く閉じた状態で、真っ直ぐ息を送れているかが鍵です。緊張して口がすぼまりすぎたり、逆にだらんと開きすぎていても、うまく息がまとまりません。
吹いていくうちにだんだんと必要な筋肉がついてくるので、ある程度時間が必要な場合もあります。
● 口の中の形
口の中が狭すぎると、息が細くなって不安定になります。のど飴を舐めているときくらいの「軽く口が開いている」くらいを意識してみてください。
● 喉の開き
喉が詰まっていると息が強くても音が出ません。驚いたときの「あっ」という喉の状態をイメージしてください。
● 腹式呼吸
胸だけで浅く息をしていると、すぐに息がなくなります。お腹を使って、長く安定した息を送れるようになると、音も安定してきます。
質問者(読者):
こうやって分けて考えると、自分のどこに原因があるか探りやすくなりますね!
ケーナ太郎:
はい、まずは「ケーナが問題なのか?」「自分の吹き方か?」という視点で切り分けてみてください。そして最も重要なのは、「音が出ないのは、あなたのせいじゃない」ということ。
ケーナは最初から音が出るほうが少数派です。むしろ、音が出ないからこそ、自分の身体感覚とじっくり向き合う良い楽器なんです。
質問者:
それを聞いて安心しました。まずは姿勢と唇の形、角度から練習してみます!
🔚まとめポイント(記事末)
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音が出ない原因は「ケーナ本体」「使い方」「体の使い方」の3層構造で考える
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特に初心者は「角度」「唇の形」「息の出し方」が大切
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最初は出なくて当たり前。じっくり“音の出る体”を育てよう